こんにちは、たくぞうです。
今回は少しマニアックな比較ですが、私自身も保有している「VGT」と「CXSE」を並べてみます。
「米国テック集中」か、「中国テック+新興国成長枠」か──。長期でFIREを目指す読者のみなさんにとっても、かなり興味深いテーマだと思います。

もくじ!
🧩 両ETFの概要・基本データ
まずはスペックを整理して、違いを明確にしておきましょう。
■ VGT:米国ITセクター特化型
- 運用会社:Vanguard(バンガード)
- 設定:2004年1月26日
- ベンチマーク:MSCI US IMI Information Technology 25/50 指数
- 経費率:0.09%(低コスト!!)
- 構成銘柄数:約300〜400銘柄級(ただし上位数銘柄の比率が高め)
- 特徴:米国のテクノロジー企業(ソフトウェア、ハードウェア、サービス)に集中。
■ CXSE:中国本土・非国有企業型
- 運用会社:WisdomTree(ウィズダムツリー)
- 設定:2012年9月19日
- ベンチマーク:WisdomTree China ex-State-Owned Enterprises Index(国有企業を除く中国株)
- 経費率:0.32%
- 構成銘柄数:約200銘柄(非国有企業を対象)
- 特徴:中国株式市場において“政府支配色”が強くない企業群にフォーカス。成長期待+リスクあり。
📊 構成銘柄・セクターの違い
数字で「どこが違うか」を見ると、かなりポジションの違いが出てきます。
■ VGTの上位構成(2025年時点)
- 例:NVIDIA(NVDA)、Apple(AAPL)、Microsoft(MSFT)が大きなウエイトを占める(その3社で40%以上!かなりリスク高めです)。
- 意味:米国テックの「勝ち組」をかなり集中して握る構成。
→ 長期で「テック+AI+半導体」の成長を取りに行く姿勢が明確。親亀こけたらみなこけた状態になる可能性もあります…
■ CXSEの上位構成(2025年時点)
- 例:Tencent Holdings(9.8%程度)、Alibaba Group(9.6%程度)、Contemporary Amperex Technology(約4%)などが上位。 比較的分散されている感じです。
- 意味:中国における「民間+成長企業」にフォーカスしており、国家・国有企業からやや距離を置いたテーマ型。
→ ただし「中国市場リスク(規制、為替、地政学)」を抱えていることも念頭に。私は台湾海峡危機は起きる起きないではなく、「いつ起きるか」の問題だと考えています。
■ 対比として
- VGT:米国テックに一点集中。成長ポテンシャルが高いが、上振れ/下振れの振幅も大きい。
- CXSE:中国の成長を取りに行くが、「新興国・中国特有のリスク」が付きまとう。
- 投資家目線では「米国大型ハイテクを信じる」、「リスク取って中国+新興国」という棲み分けが見えてきます。
📈 リターン・コスト・実績の比較
ここ最近はVGTが調子よすぎな感がありますが、CXSEも素性は良いETFです。2つの銘柄の傾向を整理します。
■ コスト面
- VGT:経費率0.09%。非常に低コスト。
- CXSE:経費率0.32%。米国株型と比べると高め。
→ 長期投資では“コストの小ささ”は無視できないので、コストはVGTに有利。
■ リターン・パフォーマンス (過去5年)
- VGT:過去5年で+175%
- CXSE:過去5年で-23%、新興市場・中国株という性格からボラティリティ大・成長期待大という構図。
→ 要するに、VGTは「実績が現実的に出てきている」成長型、CXSEは「これから成長期待」型。

CXSEは「底打った感」が出てきてますね。何事もなければ上昇に転じそうな気配がプンプンします。
■ リスク・変動性
- VGT:米国テックの変動リスクあり。景気・金利・テック規制に影響されやすい。
- CXSE:中国株特有のリスク(規制、政府介入、為替、流動性)がある。下振れの可能性も大。
→ どちらも“高めリスク・高めリターン”ですが、リスクの種類・出方が異なることを理解しておくと◎。
🎯 どんな投資家に向いてるか?スタイル別分析
投資方針・リスク許容度に応じて選ぶと効果的です。
| 投資スタイル | 向いているETF | コメント |
|---|---|---|
| 米国成長株に集中して勝ちに行きたい | VGT | テック・AI・半導体に特化。ポテンシャル高けれど上下の揺れも大きめ。 |
| 成長と分散&長期で中国というテーマも取りたい | CXSE | 中国+非国有企業というテーマ性。リスクを取れるなら面白い。 |
| 主軸を決めて、スパイスとしてもう1本入れたい | VGT(主軸)+CXSE(補完枠) | 米国中心で安心感を確保しつつ、新興国・中国で成長取りに行く構成もアリ。 |
私の考えとしては、現状では「VGTを主軸に、CXSEをスパイス投入」という形が現実的かなと思います。
アメリカの優位性は絶対に揺るがない!とは思っているものの、「万が一」を考えて中国の伸びに期待しているという格好です。
私の現在の持ち分は、
| VGT | CXSE |
| 635万円 | 86万円 |
となっており、CXSEはスパイス程度です(個人的にはこのくらいが安心できます)。
🔮 将来の見通し・注意点
長期投資という観点から、これから5〜10年を見据えて考えると、以下のポイントが鍵になります。
■ 成長ドライバー
- VGT:AI/クラウド/半導体の拡大。米国テックのリーダー企業に引き続き期待。
- CXSE:中国の国内消費拡大+ハイテク転換(電気自動車、バッテリー、メディアなど)というストーリー。
■ リスク要因
- VGT:米国の金利上昇、規制(反トラスト)、テックバブルの調整。
- CXSE:中国の政治/規制リスク、為替・人民元変動、国有企業との競争、米中関係の悪化。なにより台湾海峡危機!
■ 配分をどう考えるか
- もし“米国成長を軸”に置くなら、VGT比重を高く。CXSE比重は“成長+チャレンジ枠”として小さめが無難。
- 逆に“成長取りに行く+リスクも許容”なら、CXSEを少し大きめに持っても面白い。ただし「痛み」を受ける可能性も理解しておくこと。
✅ まとめ
- VGT:米国テック集中で成長ポテンシャル大。コストも極めて低く、実績も出ている。
- CXSE:中国の非国有テック/成長株群にフォーカス。テーマ性が強く、リスク・リターンともに高め。
- 投資家としては、自分の「リスク許容度」「成長期待」「ポートフォリオ内での役割(主軸か補完か)」を明確にして選ぶのが肝。
- 個人的には「VGTを主軸/CXSEは補完」で、米中テック両方の成長を取りに行く構成がバランス良いと思います。
ちなみに米国のハイテク企業に投資しようとすると必ず出てくるVGTとQQQも比べてみています。お時間があったら見てみてください。
